猫とあたしの物語
「いえいえ、とんでもない!
こちらこそ、命を救っていただき
王子…様には感謝しております。
ありがとうございました。」
そう言うと、おじいさんはニコッと
笑って窓の外に消えていった。
(大丈夫かな…?)
「…おい、真白。どこ見てんだ?」
「いや、おじいさんが
消えて行っちゃったから……。」
「そんなこと気にしなくていい。
俺たちはいろんな所から出入り
出来るから。
それより、もうここを
出なくちゃいけない。
お前のお父さんとお母さんが
仕事終わりこの病室に
寄っていたからな…。
多分、お父さんかお母さんが
来るんだろう。」
「えっ!?
お父さんとお母さんが!?
ふふ……嬉しいなっ。」
「そうか。良かったな。
じゃ、もう俺出て行くな。」