どうしようもないくらい好きでした(仮)
今日はベットの上にうつ伏せになり、頬杖をつきながら仕事に行く準備をしている陸を見ていた。
陸は壁に掛けられた大きな鏡の前に立ち、ネクタイをしめている。
私はその背中を眺めながら呟いた。
「陸って、スーツ似合うよね。」
「そう?」
「うん。何かちゃんと大人な感じする。」
陸は鏡越に目を合わせながら、ニヤリと笑った。
「ななちゃん、もしかして惚れ直した?」
私は黙ったままベットから立ち上がると、ゆっくり陸の側まで歩いて行き、その背中にもたれるように抱きついた。
「うん。惚れ直した…。」
とても小さな声で呟く。
石鹸の匂いがほのかに香る。