どうしようもないくらい好きでした(仮)



「何て…格好いい事言っても、結局は店の開店資金も親に面倒見てもらったんだけどね」


誠二さんはニカッといつもの笑顔をして見せた。
この笑顔の裏にもまた、沢山の葛藤があったはずだ。


「温室から抜け出す勇気も夢もない俺にとって、陸の生き方は憧れなんだ」


人を好きになるということ。
その人の人柄や生き方。
時には容姿や憧れ。


そして、自分には無いものを持っているということ。


私には、陸と誠二さんの関係が羨ましいとさえ思えた。


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