どうしようもないくらい好きでした(仮)



電車に揺られ家に帰ると、母の姿は無かった。


リビングを通り抜けキッチンに向かう。
冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出して一口飲むと、鍋の中にカレーが作ってあるのを発見した。


大してお腹は空いてはいない。
それでも私は、母の作ってくれたカレーを温め、1人リビングで食べた。


無性に淋しく感じてしまうのは、いつも騒がしい母が居ないからなのか。
それとも、陸に会えないからなのか…。


おそらくは、その両方なのだろう。


案外、私は淋しがり屋なのかもしれないと、自分の事ながらどこか他人事のように思う。






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