どうしようもないくらい好きでした(仮)
──『もしもし、ななちゃん?』
──『うん』
──『今、大丈夫?』
──『うん。陸こそ大丈夫なの? まだ
実家でしょ?』
電話の向こうで、微かに人の話し声が聞こえていた。
──『うん、まだ実家。てかさ、今日は こっちに泊まる事になったんだ』
──『そうなんだ』
──『でも、ななちゃんの学校が終わる 時間にはアパートに帰ってるから。
だから、明日は会いたい。
会って、話したい事があるんだ』
改まった陸の言葉に、正直ドキリと胸が高鳴る。
陸が私に話したい事とは、いったいどんな事なのだろう…。
──『わかった。じゃあ、明日はアパー トに行くね』