どうしようもないくらい好きでした(仮)
「どこに行くの?」
「マレーシア。幾つかの島を渡るかもしれないけど、最終的にはペナン島に行くつもりでいる。
そこで『タイプーサム』って言う祭りがあるんだ。ヒンドゥー教の奇際って言われているんだけどね」
陸はその祭りについて、私にわかるように簡単に説明してくれた。
タイプーサムとは、ヒンドゥー教徒が自らの身体を傷付け苦行を行う事により、神々への信仰心や感謝の想いを現す
大祭であり、その行為の危険性からヒンドゥー本国であるインドでも禁止されている祭り。
『神の名のもとに正当化された自傷行為』
陸はそう言った。