どうしようもないくらい好きでした(仮)



「自分を傷付けながら、何十キロも行進を続けて歩く。家族やギャラリーに見守られながら、トランス状態に入り込む彼等の心理は、無宗教な俺なんかには理解できない物だと思うよ」


私は陸の話しを黙って聞いていた。


「神って、なんなんだろうな…」


最後にそう一言呟いた陸の問い掛け。
到底、私が答えられる訳が無い。


「ねえ…陸。陸はどうして旅に出るの?」


私は思わず、陸に問い掛けていた。
陸の生き方そのものの、確信を突くような質問を…。
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