どうしようもないくらい好きでした(仮)
「そんな時、龍さんに出会ったんだ。
龍さん、あの時は今ほど厳つくもなかったけど、それでもオーラは今と変わらず凄くって。
俺は人生で初めて、同姓である龍さんに一目惚れしたんだ」
そう言った陸の顔が、陸を自分の憧れなんだと語った誠二さんの顔と重なる。
「あの頃、龍さんはバリッバリッのツーリストでさ、旅から帰ると決まって俺に色んな国の話しをしてくれた。
自分の知っている世界は、なんて小さいんだろうって…。
何時しか、龍さんみたいに世界中を旅してみたいって思うようになってた」
憧れの人。
陸にとっては、初めて出会ったであろう本当の意味での自由を生きている人。
陸と龍さんとの間にもまた、2人にしか理解できない、絆のような特別な関係があった。