どうしようもないくらい好きでした(仮)
私と裕美の外見は、どこか正反対にも見える。
明るめの茶色の髪に白い肌の私は、どちらかと言えば日本人離れしているように見られる事が多かった。
反対に、日本人特有のクールビューティーと言う言葉が、裕美にはピッタリとはまる。
私達は、2人でいると必ずと言っていいほど声を掛けられた。
今日もナンパされた相手とカラオケに来ていたのだが、裕美は私のテンションの低さに気づいたのだろう。
しきりに誘いの言葉を掛けてくる。
「なんかさ、この後クラブ行くって言ってるんだけど…七海も一緒に行こうよ。」
まだ8時を過ぎたところだった。
「わかった。ちょっとだけ付き合う。」
私は渋々承諾すると、小さく溜め息を吐いた。