どうしようもないくらい好きでした(仮)
私はあの日、玄関先で旅立つ陸を見送った。
大きなバックパックを背負った陸は、優しく微笑みながら、私の頬に伝う涙を親指で拭てくれた。
そしてしばらく見つめた後に、そっとキスをした。
どんな言葉よりも優しい、切ない口付けだった。
あの日からまだ3日しか経っていたない。
途方もない、長い長い時間が続いて行くような気がする。
陸に会えない時間など、私にとっては何も無いのと同じだ。
ただ息をして、時間が過ぎるのを待ち続けるしかない。