どうしようもないくらい好きでした(仮)



この3日の間、そんな溜め息をいくつ吐き出しただろう。


何度となく、どうしよもない孤独感と空虚感に支配された自分に気づく。


「そうだ、今日はカラオケ行こ。七海、ずっと陸さんばっかりで付き合い悪かったし。私だって寂しかったんだからね」


少し拗ねたような裕美。
大人びた彼女のこんな子供のような表情には、同性であっても一瞬ドキリとさせられる。


ギャップ萌…とでも言うのだろうか。
制服を着た彼女は、もはや無敵のように思えた。


「カラオケなんて行きたくない…」

「じゃあ、買い物付き合ってよ。それなら良いでしょ?」

「…わかった」


明らかに渋々承諾した形にはなった。
それでも、彼女が私を気遣ってくれているのはよくわかっていた。

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