どうしようもないくらい好きでした(仮)



その日の放課後。
ショッピングモールの中を、ぶらぶらと歩き回る。


裕美の言う買い物とは、特に何か目的がある訳でもない。


ただこうして目に付く物を眺めたり、人の流れの中に身をおく事が、今の私には必要な事なのかもしれなかった。


ほんの少しの気の紛れ。
黙っていても耳に入る流行りの歌や街の雰囲気が、ぽっかりと空いた私の心の隙間を少しでも埋めようとするかのように容赦なく侵入する。


その強引さが今は何よりも必要だったのかもしれない。
そんな事を、まるで他人事のように思う。

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