どうしようもないくらい好きでした(仮)
「確かにね。それは言えてるかもしれない」
「うん」
「だけどさ、やっぱり七海見てると何だかちょっと羨ましくなるんだよね。
陸さんに出会ってから、七海ずいぶん変わったよ」
「そう…かな?」
「うん。そうだよ。何かさ、素直で可愛くなったし、毎日楽しそうだもん」
案外、自分自身の変化程気が付かない物なのかもしれない。
私は少し気恥ずかしい思いで裕美の言葉を呑み込んだ。
陸に会うという事が、何よりも大切な時間であった。
いつしかそれが私の日常になり、陸との世界が私の世界になっていた。
私が変わったのならば、それは陸の影響以外には考えられない事だろう。