どうしようもないくらい好きでした(仮)
柔らかそうな栗色の髪には、ふわふわの癖毛風のカールがかかっている。
日本人にしては彫りの深い、目鼻立ちのしっかりした顔立ちに、スラリと伸びた身長のため、ひときわ輪の中でも目を引く。
心此処に在らずの私は、1人ツールに腰掛けながら楽しそうに笑う彼を見つめていた。
時々ぶつかる視線。
少しだけ微笑んだような気がしたのは気のせいだろうか…?
裕美達の姿も、いつの間にか見当たらなくなっていた。
薄暗い店内。
この人混みの中を探す気はさらさら起きない。