どうしようもないくらい好きでした(仮)
ドアの前まで来て、なかなか鍵を開けられずにいた。
それでもこのまま帰る気にもなれず、鍵穴に鍵を差し込んだ。
ガチャリという音に覚悟を決める。
ドアをゆっくり開ければ、目の前の真っ暗な部屋に陸が居ない事を改めて実感してしまう。
いつも感じていた部屋の香りすらも薄れてしまっているようで淋しくなった。
静けさに包まれた部屋にそっと足を踏み入れる。
カーテンを開けると、うっすらと外の明かりが入り込み見慣れた部屋が目に映る。
相変わらずゴチャゴチャとした物に溢れた部屋に、なぜだか癒やしを感じてしまう自分を不思議に思った。