どうしようもないくらい好きでした(仮)
先ず始めに私がした事といえば、引き出しからお香を取り出した事だった。
いつもは陸の使っているライターで火をつける。
でも今はそのライターも陸と共に旅に出ていた。
グルグルと部屋を見渡し、百円ライターを見つけて火をつけた。
一瞬で香りが部屋中に広がるのがわかる。
今となっては何よりも落ち着く香り。
陸の部屋で、陸の大切な物に囲まれて。
陸の大好きな香りに包まれている。
足りないのは、陸だけだった。