どうしようもないくらい好きでした(仮)
窓に近づいて行き、夕日に透かしてみる。
硝子に反射した光がとても綺麗だった。
綺麗だと思える物なんて、案外身近に有るものなのに。
陸が自分の目で見たいと思う物とは、いったいどんな物なのだろうか。
いつか私にも、そんな陸の心理が理解できるの日が来るのだろうか。
そんな事を考えながら、そっと棚にスノードームを置いた。
少し遠慮がちに。
一番端っこに。
何だか場違いのような気がして、まるで私のようだ。
私はただの女子高生で、世界中の物に溢れたこの部屋では浮いてしまう。
その隙間を埋めてくれる、私がここにいる意味を与えてくれる陸がいなければ。