どうしようもないくらい好きでした(仮)
仰向きのまま目を閉じれば、すかさず陸の顔が浮かんでくる。
少し困ったように微笑む。
切なそうに歪む笑顔を思い浮かべれば、閉じた瞳からでさえ涙が零れる。
あんなにも泣きはらした後だというのに。
それでも、睡眠不足からくる倦怠感に全身を被われ涙を拭うことすら面倒で、そのままにした。
そのうちに、さっきまでの鈍い痛みが嘘のように抜けていくのがわかる。
薬の効き目だろうか。
少しだけ眠ろう。
どうせなら、この胸の痛みも一緒に消し去ってくれればよかったのに。
* * *