どうしようもないくらい好きでした(仮)



冷たい北風に吹かれた木々が寒そうに震えている。


こうして暖かい部屋の中では、その射すような空気の冷たささえも感じる事もない。


ただ無意味に時間だけが過ぎて行く。
それが虚しくてしかたかなかった。


ふと、自分がまだ制服を着たままでいる事に気がつく。
本来ならば、今頃は学校で退屈な授業を受けている時間だった。
退屈でありふれた日常。
それでも、私の居場所がそこにあった。


しばらくそうして外を眺めていると、枕元に置かれた携帯からメールを受信したというメロディーが流れてきた。


それは裕美からのメールで、欠席した私を心配して送ってくれたようだった。
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