どうしようもないくらい好きでした(仮)
「ななちゃんは、もうすぐ三年生よね?」
「うん。何事もなく進級できればだけどね」
私の言葉に、母は呆れたような顔をする。
陸に出会ってから、私の生活面での構成ぶりには目を見張るものがあったはずだ。
成績も決して優秀とは言えな無くとも、学年の中間あたりをフラフラと行ったり来たりしては留まり続けていた。
『別に贅沢は言いませんから』
母はそう言って、良くも悪くもない私の成績にそれなりに満足しているようだった。
「これでもちゃんと学校に行くようになったし、進級も問題ないとは思うのよ。
どういう訳か、急に真面目になっちゃって。夜遊びも無断外泊も最近は一切しなくなって。
一事はどうなるかと思ってたけど」
「ちょっと、余計なこと言わなくていいから」
軽く母を睨み付けてみる。
祖母はそんな私達を見て、とても可笑しそうに笑っていた。