どうしようもないくらい好きでした(仮)



一端思考を停止した頭では、今の状況を理解するのに時間が必要だった。


抵抗する事もせず、呆然とする私の頭の上から声がする。


「良かった。俺の気持ち届いて。」


目の前には、優しく微笑む顔があった。


「絶対、店から出てくるって思ってた。」

「えっ…?」


意味がわからず、見つめることしかできない私に、さらに言葉が続く。


「君は絶対、俺を追いかけて来るって思ってた。だからここで待ってたんだ。」


何の躊躇もなく、自信に満ちた真っ直な視線が刺さる。



私はその瞬間、さっきよりも強く高鳴る鼓動で言葉を無くしてしまった。






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