どうしようもないくらい好きでした(仮)
一端思考を停止した頭では、今の状況を理解するのに時間が必要だった。
抵抗する事もせず、呆然とする私の頭の上から声がする。
「良かった。俺の気持ち届いて。」
目の前には、優しく微笑む顔があった。
「絶対、店から出てくるって思ってた。」
「えっ…?」
意味がわからず、見つめることしかできない私に、さらに言葉が続く。
「君は絶対、俺を追いかけて来るって思ってた。だからここで待ってたんだ。」
何の躊躇もなく、自信に満ちた真っ直な視線が刺さる。
私はその瞬間、さっきよりも強く高鳴る鼓動で言葉を無くしてしまった。
* * *