どうしようもないくらい好きでした(仮)
母に急かされ渋々食卓に着いたものの、私は手に持ったホークに目の前のパスタをクルクルと巻き付けては外す。
そんな動作をもう十分以上繰り返していた。
「ちょっと、七海。
そんなクルクル、クルクル何なのよ。
そんな事したら美味しいものも、美味しそうに見えなくなるでしょうが…」
呆れ顔の母の顔とパスタと。
視線を何度か往復させて、結局私はホークから手を放してしまった。
「ごめん。なんか食欲ない」
「そんな事見てたらわかるわよ。
昨日もそんな事言ってたし。あんた、最近少し痩せたんじゃないの?」
「そうかな?」
「少しはまともに食べないと」
「うん。わかってる」
かなり適当に返事をした。