どうしようもないくらい好きでした(仮)
離れて過ごした時間と距離は、二人の関係をより深める事になった。
陸は以前よりも更に愛情を強く表現するようになり、二人の時間を大切にしてくれていた。
私もまた、その気持ちを素直に受け入れる。
二人で一緒にいられる時は、常に寄り添い、お互いの体温ですら共有しているようだった。
「ねえ、ちょっと痩せた?」
「ああ、そうだね。旅に出るとだいたいは体重落ちるんだよ。食べ物とか環境の変化とかさ」
「へえ…」
「てかさ、ななちゃんこそ痩せたでしょ?」
「えっ!? そうかな…?」
「またそんな事言って…。誤魔化しても無駄だからね」
自ら墓穴を掘った。
陸の視線から少しでも逃れる為に、並んで座っていたソファーから立ち上がろうとした瞬間。
グッと引き寄せられいた。
陸の膝の上に跨がるような形で向かい合う。
ガッチリと腰に回された腕は、私をしっかりと捕まえて離さない。