どうしようもないくらい好きでした(仮)
「ほんの少しだけだよ。ちょっとだけ…だって不安だったから」
「不安?」
「だって陸、…手紙くれなくなったでしょ?
何かあったのかなって。
それに、もう私の事は好きじゃないのかもしれないって…」
「そっか…ごめん。俺のせいだ」
悲しそうな陸の顔を見ていたら、自分の弱さが申し訳なく思えてくる。
勝手に期待したのは私なのだから。
「陸のせいじゃない。だから謝らないでよ」
「いや。俺のせいだ。
俺さ、変な事考えちゃったんだよね」
没の悪そうな陸の顔。
その後に続く苦笑い。
手紙が届かなかった意外な理由を、私はその日初めて知るとことなった。