どうしようもないくらい好きでした(仮)
「陸は神様信じてるの?」
私はそんな戦利品の1つを手で触りながら、少し眠そうに目をこすっている陸に質問した。
「神様…? どうかな。神様はいても良いかなってくらいには思うよ。ほら、時々神様お願いって思ってる時ってあるしさ。でも、それを生活の一部にはできない。彼等を否定する気もないけどね」
陸の言う彼等とは、旅先で出会う現地の住民のことで、彼は時々彼等の話しを私にしてくれた。
特にインドなどの多宗教の国では、その強烈な個性に、価値観も常識もひっくり返る程のカルチャーショックを経験したらしい。
そのせいなのか、陸の話しの大半が彼等の事だったように思う。