どうしようもないくらい好きでした(仮)
陸は時より、常識的で大人の一面を見せた。
平日。
私が学校がある日には、陸は決して部屋に私を泊める事はしない。
例えそれが、自分の仕事の休みの日であってもだ。
私は時間になると決まって家に帰され、自分のベットで大人しく眠った。
そして毎日学校に登校し、放課後には陸の部屋に向かうのだ。
初めのうちは、融通の利かない陸に面倒臭さを感じていたが、そのうちにそれが彼なりの優しさなんだと思い直した。
今思えば、高校生である私への彼なりの配慮であり、何よりも私の親に対しての配慮だったのだと思う。
実際に、毎日きっちり帰宅するようになつた娘を、母は不思議そうな顔で見つめるのだった。