どうしようもないくらい好きでした(仮)
「明日から夜勤だからね」
「わかった」
テレビの画面を見ながら返事をする。
こんな風にリビングで母と過ごす時間も、最近では当たり前になってきた。
「七海、あんた突然心でも入れ替えたわけ? 毎日、毎日、こんなに早く帰宅して」
「別に。自分の家に帰ってくるのに理由なんていらないでしょ」
「まあね。それはそうだ…」
母にしてみれば、私の行動が不思議でならないのも無理はない。
毎日遅くまで遊びまわり、平日だろうが週末だろう、お構いなしに泊まり歩いていた娘が、ある日を境に突然変わったのだから。