どうしようもないくらい好きでした(仮)



「お風呂入ってくる」


私は立ち上がると自分の部屋に向かった。


「わかった! 七海、男変わったでしょ?」


おもむろに放った母の言葉に、思わず動きが止まる。


「やっぱりね。図星でしょ?」


振り向いて見た母の顔は、これでもかと言うほどのドヤ顔だった。


「雅樹くん、可愛かったのに。お母さん、結構好きだったなあ…」

「ふーん。そうだったんだ」

「で、何で別れたの?」

「別に…。ただ、陸のが良かったから」


それだけ言うと、まだ何か言いたそうな母を残して自分の部屋に入った。








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