どうしようもないくらい好きでした(仮)



陸の部屋に始めて行った日。
小さなキスを交わした後、私は雅樹の話しを一度だけ陸に話した事があった。


「私ね…彼氏いるよ」

「どんな人?」

「たぶん優しくて、私の事を好きだと言ってくれる人」

「そっか…」


それ以来、私達の間に彼の話題が出てくる事は一度もなかった。


少なくとも、陸と私の間にはどうでも事だったのだと思う。


彼との関係を終わらせた事すら、伝えてはいない。


きっと陸が求めているものは、そんなありふれた関係なのではないのだと感じていたから…。

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