どうしようもないくらい好きでした(仮)



「ななちゃん、くすぐったいよ」


陸は少しだけ体をよじると、タバコを灰皿でスリ消した。


洋物のタバコの独特の香りが、部屋の香りと混ざり合って消えていく。


陸は、私の顔を覗きこむように隣りに寝転ぶと、優しく髪に触れ、指を絡める。


陸の手もまた、ほんのりタバコの匂いがした。




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