どうしようもないくらい好きでした(仮)
ロータリーを抜けて突き当たりの階段を降りると、割と開けた賑やかな商店街に出る。
その一つ奥の通りに、陸のアパートがあった。
もうすぐ陸に会える。
私は階段に向かって早足で歩いていた。
それなのに今日は、目線の先に見慣れた制服姿。
なんとなく嫌な予感がした。
その中の一人が、間違いなく元彼の姿だと確信したのは、彼があきらかに私を意識してそこに立っていたからだった。
隣りには女の子もいる。
違う学校の制服を着ていた。
私はあえて目線をそらさずに、真っ直ぐ彼等を見据えて歩いていった。