どうしようもないくらい好きでした(仮)



それなのに、こんな日に限って…。


特に頭が痛いとか、お腹が痛いとか、そんな症状がある訳ではなった。
ただ、熱によって引き起こされる倦怠感が、私の体の動きを鈍らせていく。


かと思えばその反面、思考回路だけは活発に動き続け、優しく困ったような陸の顔が私の心に静かに揺さぶりをかけるのだ。


陸の柔らかい髪に手を伸ばし、そっとキスをして…。
そして、そのしなやかで引き締まった体に触れたい。


微熱に侵されながら、私はそんな事を思っていた。
< 61 / 263 >

この作品をシェア

pagetop