どうしようもないくらい好きでした(仮)
陸はいつものように、家の近くの空き地に車を止める。
車内の時計を見ると、まだ7時になったばかりだった。
「送ってくれて、ありがとう」
「うん。ななちゃん、今日は早く寝なくちゃ駄目だよ」
「わかった。じゃあ、部屋まで送ってくれる? もうちょっとだけ、一緒にいたいから…」
自分でもびっくりするようなセリフだった。
これも熱のせいなのか。
冷めたはずの微熱にほんの少しだけ惑わされ、隠していた本音がポロリと口からこぼれ落ちる。
一瞬、顔が熱くなった気がした。
恥ずかしさなのか、それとも熱が上がってしまったのかもしれない。