どうしようもないくらい好きでした(仮)
おそらく一般的な女子高生の部屋。
それでも、陸のそれと比べてしまったら何とも殺風景に見えるだろう。
対して物珍しい物が有る訳でもなく、至ってシンプルな、それでいて女子の部屋だというアピールには欠けていないはずだ。
陸は部屋に入るなり、キョロキョロと部屋中を見回している。
「適当に座って」
「何かちょっと緊張する」
「そう?」
「うん。だって女の子の部屋に入ったのかなり久しぶりだし」
私には、その言葉が本当なのかはわからない。
それでもどこか落ち着のない陸の姿は、嘘など無いように感じた。