3本の長春花のおわり




小さく笑みを交わして……ああ、久しぶりだなぁ。

幸せだなぁ。



大切で、壊したくなかったものがここにある。

もう失うことも、それ以外の関係を手にすることもない。



それがわかったから、君に告白したいことがある。

言うなら、きっと今しかない。



「ハル、あたしあんたのことが好きだった」



目を丸く、丸くされる。

きょとんとした表情は幼い頃を思い出す。



「もう、何年か前の話だけどね」



出会った頃は恋じゃなかったのに、いつの間にか彼を想うあたしがいた。

小学校も、中学校も、高校までずっと好きで、これはとうとう一生好きなんじゃないか。

そう思った矢先、大学に入って…………彼は先輩と出会った。






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