3本の長春花のおわり




ふたりが付き合うようになったところを見届けて。

泣いて泣いて泣いて、本当に死ぬかと思うくらい涙が枯れるまで泣いて。

痛くて、苦しくて、辛くて。そんな想いがわからなくなって。

……それでもまだ好きで。



だけど、好きになった時と同じように、いつの間にか終わっていた。

……好き、だった。とてもとても。

散ってもなおすがりつくような恋だった。



「俺も。俺も先輩と出会うまで、子供の頃からずっと好きだったよ、ハナのこと」



そ、っか。そっかぁ……。



「うん、ありがと。スッキリした」



ふたりが出会う前に告白すればよかったとか、そんな後悔はよぎらない。

もう胸にない恋心にちゃんと終止符を打てたなら、それでいいの。






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