【短編】手、繋いでもいいですか?
後ろ振り返ると彼女がしゃがみ込んでる姿が目に入った。
俺は考えるよりも早く足が彼女のもとに急いだ。
「さっきの変なお兄ちゃん足はやーい!!!」
俺何してんだよ。 彼女に気づかないなんて。
「どうした!?大丈夫か?
具合悪いのか?何処か怪我でもしたのか?」
その場にしゃがみ込んで顔を俯かせている彼女の顔を上げさせると
涙をボロボロと溢していた。
「胸が・・・痛い・・・」
「泣くほど痛いのか!?
親御さん呼ぶか? いや、救急車呼ぶか?」
「違っ・・・違うの・・・」
泣きながらぶんぶんと顔を振る彼女。
「え?何が・・・」
「恥ずかしかったの!!!」