あたしの証~番外編~
▽復讐
「…俺、裏切られたーとかあんまないから、わかんないけど…。
夏樹がそこまで言うなら余程なんだよな」
依然として眉を下げたまま哲は言う。
「………哲、ありがとな」
「はあっ?」
いきなりの俺の言葉に哲が眉間にしわを寄せる。
「…今のは気にしないで。
こんな復讐誰にも言う気なんかなかったけど、哲には言っとこうと思ってさ」
「……夏樹…」
哲は下げてた眉を上げて、俺の背中をバンバンと叩いた。
「いってぇ…」
「夏樹っ、騙すなら完璧にやれよっ!
中途半端に情なんか持つなよ!
辛くなるのは夏樹だから」
…………
哲の言葉はすんなりと頭に入った。
だけど、これからの俺の心はその言葉を拒否するんだ。