あたしの証~番外編~
「ビンゴ?」


「………いや」


「はあ、貴もダメだっつうのに…」


「…………すみません」


それから、俺の目の前にどかっと座ると俺を真っ直ぐ真剣な瞳できょうさんは見つめた。



「…彫りもんっつーのは、簡単に消えない。
ガキが生半可な気持ちで入れていいもんじゃねえ」


その言葉に、俺はカチンと来る。

俺の、この覚悟が…生半可だと?



「……生半可じゃないっすよ!!」


「…どこが?」


「………………くっ」






実際、そうだったのかもしれない。


揺るぎない覚悟があるならば、タトゥーなど彫らなくたって実行してるだろうから。




「……ダメなんです。このタトゥーがなければ」


「……どんな気持ちで入れたいのか…知らないけど。
そんな入れたいなら18になってからきちんと入れろ。
そん時はうちに来い」


「……え?」


「18になったら、俺が入れてやる」


「……………」


「だから、そん時したいことないならうちで働いてみないか」



こないだ言ったことは、本気だったんだ。
< 143 / 473 >

この作品をシェア

pagetop