あたしの証~番外編~
「…そうか、じゃあもういいよ。
アフターケアの説明とか、した方がいいか?」


「平気です。…あの、代金は?」


「え?いらないって。それは俺からの誕生日プレゼント」


「…………ダメです」


「はあ?」


「…これだけは支払いさせて下さい」


「ええ?でも見積りなんもしてないしなあ」


「…………じゃあ」


俺は真正面できょうさんを見据える。

それからゆっくり口を開く。



「俺のバイト代から引いて下さい」



その言葉に、きょうさんは目を真ん丸にする。



きょうさんと出会ってから、タトゥーに興味が出て来て働きたいって気持ちが強くなったことも事実。


だけど、きょうさんに入れてもらってから決めようと生意気にも思っていたんだ。



働くなら俺が認めたとこじゃなきゃ働く気しない。

どうせ、働くなら向上出来る場所がよかった。




「…俺は…甘くないぞ?」


きょうさんはにやっと、口の端を上げて笑いながらそう言った。



「…よろしくお願いします!!!」


それに俺は思い切り頭を下げた。

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