あたしの証~番外編~
「何、何、何これ!!!」


「ひーひー!」


信司はもう、笑い過ぎて喋ることすら出来ないらしい。


「たまたまこの雑誌買ったらこれあって、大爆笑したの」

哲が経緯を説明する。
それから、また拓斗を見て笑った。


ひとしきり笑った後、哲は雑誌を閉じて奥底に封印した。
また、あの雑誌を見たら吹き出すから。


三人、肩で息をしてから信司が話しだす。

「夏樹、彫り師になるんだってな」


「え」


「哲から聞いた」


「……ああ」


さっき、その刺青のことで親と喧嘩した俺は思わず口ごもる。
哲がその様子に気付いて首を傾げた。


「何かあったの?」


「……いや」


「まさか、きょうさんに何か言われてダメになったとか?」


「違うよ、そうじゃない」


哲の言葉に首を振る。
哲は信司と顔を見合せてから

「じゃあ何?」

そう、尋ねた。


「タトゥー入れたことで喧嘩した」


「誰と?」


「父親」


それに信司が吹き出した。
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