あたしの証~番外編~

▽別れ

「あーーーうまかった」

「満腹」


ファミレスを出て、俺が腕を上方に伸ばしながら言うと哲も笑って返す。
自然と笑みを溢しているが、まだまだ哲らしさを取り戻しているようには思えない。



明るく、普段通り接するように俺はなるべく務めた。

さっき。
木下あかりの事も報告をした。


もちろん、今言う事でないのはわかってる。
だけど、俺は直接哲の顔を見て言いたかった。


あかりの事を知ってるのは、哲としほだけなんだから。


他にも言ってない。
復讐なんて、話す必要もない。
聞いて、面白い事でもないし。


哲は今でも、復讐なんて辞めろって思ってるはず。
それでも言わないのは。


哲の優しさと、俺の事を考えてくれてるから。



もしも。

俺が裏切って…。


ボロボロになっても。



哲、支えてくれよな。
< 175 / 473 >

この作品をシェア

pagetop