あたしの証~番外編~
久しぶりの哲の家。
変わらない室内。

それが少し、切なくさせる。


一緒にここで過ごした日々は、俺にとって大事な日々だったから。



哲が部屋着に着替えてるのを見て、俺は声をかける。

「哲、俺少し電話かけるな」

「ああ、うん」


一言断ってから、俺はリダイヤルからあかりを探す。
哲の名前を出してはいないが、友達の家に泊まる事だけは伝えていたから。


「もしもし」

「あ、あかり?」

「うん。今着いたの?」

「ああ、うん。
今日、泊まりだから」

「明日には帰ってくる感じ?」

「…ああ、うん。
明日また連絡するな。
…おやすみ」

「わかった、おやすみなさい」


そんな会話をして、俺は通話を切った。


くるっと、後ろを振り向くとニヤついている哲。



もういいの?なんて。


これは、義務だから。
だから、別にいいんだよ。



俺がしたいからしてるんじゃないんだから。

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