あたしの証~番外編~
その日は他愛ない話をたくさんした。

学生時代だった頃の話とか。
哲とバカやってた頃の話だとか。


とにかく笑い合った。



それが大事だと思ったから。


翌朝、…とっくに太陽が昇っていたけども。
どちらともなく目を覚ますと、おはよと挨拶を交わした。



「俺、そろそろ帰る準備するな」

「ええ?早い」

「昨日休みにしてもらったんだから、今日は休めねえ」

「…そっか」

「わりいな、本当はもっとゆっくりしてたかったんだけどな」

「ううん、しょうがないよ。ありがとう」


哲は笑みを作ると、俺にお礼を言う。
それに、俺は首を振った。


「友達だろ」



俺がそう言うと、哲は少し目をまん丸にした。

だけど、すぐ照れたように、嬉しそうに微笑んだ。



「だな」


その声は、消え入りそうだったけど。



俺にはちゃんと聞こえたよ。
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