あたしの証~番外編~
だけども、ろくに眠れず、俺はあかりの顔を眺めた。

カーテンの隙間から入り込む日差しに、あかりが少し顔を歪めてうっすらと目を開ける。
俺の顔を確認すると、少し恥ずかしそうにしてから

「…起きてたの…?」

そう尋ねた。


「うん、起きたばっか」

さらっと嘘をつけるようになってる自分に驚く事もなくなった。


「あかり?」

「ん?」

「タトゥー彫っていい…?」


復讐の二つ目。
俺の名前を彫って。
忘れられない様にしてやるんだ。

すぐに了承するだなんて思ってなかった。


一生の事だし。
そんな簡単に決められる事でもない。



「……なつおは?」

でも返って来たのはそんな言葉で俺は目をまん丸にした。


「なつおにはあたしの名前入れないの?」


…あかりの名前?
そんなの。

思い出したくない。


「……入れてる」

「は?!」

「もう、既に入ってる」



更に驚くあかり。
そりゃそうだろう。


俺だって、入れる予定なんかなかったんだ。
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