あたしの証~番外編~
あかりの名前が入ってる事を知ると、あかりは驚きながらも嬉しそうだった。

俺の入れてくれる?の問いに、満面の笑みでYESと答える。


それから。



俺の背中に彫られてるタトゥーを指して見せる。

そのタトゥーを見ても、イマイチなんだかわかってないあかり。


「あかりの名前」


そう教えた後、あかりはキョトンとしながらまた俺のタトゥーを見つめる。

それからゆっくりと口を開いた。


「このバラってどういう意味?」

「愛」


即答する俺。

あかりは目を見開くと、その開かれた瞳から涙をぽろっと一粒流した。



続けて流れ落ちる涙。
止められないあかりは俺の胸に自分の顔を押し付けると、おさまるまで泣きじゃくっていた。



抱き締めながら。

俺は冷たい瞳であかりを見ていた。




“愛”


こんな言葉すら…用意していたものなのに。


意味すら知らずに。
幸せだと泣くなんて。


なんて滑稽だろうか。
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