あたしの証~番外編~
今でも、あかりにはあのタトゥーが静かに佇んでいるのだろう。


あれを見る度に、きっと。


あかりは俺を思い出す。



その時に、あかりはなんて思うのかな。


憎い、かな。




仕方ないよな。



「では、出来あがりましたら送らせていただきますね」


記者が笑顔でそう言うと、きょうさんが

「よろしくお願いします」

と同じ様に笑顔で返した。



取材スタッフなどが全て帰った後、静かになったスタジオで俺ときょうさんは二人して息をついた。



「……飲み、行くか?」

「いいですね」


きょうさんが言わなかったら、きっと俺が誘っていたに違いない。




その日は、きょうさんとたくさん笑い合った。

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