あたしの証~番外編~
そんな事、わからない。

ただ、俺は復讐に囚われていたから。

だけど、復讐なんてしなくてもいいかもしれない。
そんな事、思ってしまったりもした。


結局はこんな形になっているんだけど。



「………忘れた」

「そ、っか」


俺の返事に悲しそうに眉を下げると、顔を俯かせる。

だから、つい、聞いてみたくなった。



「………………あかりは」

「…ん?」

「俺を好きになって幸せだった…?」


俺は忘れただなんて勝手な事を言っているのに。

なのに。


「もちろん!」


そうやって、あかりが即答したから。



思わず、口角が上がってしまったんだ。
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