あたしの証~番外編~
「まった、わかってるくせに」

「わかりません」

「なつは可愛くない!」

「男ですから、それでいいです」

「~~!!明日は俺、いないからな!
二人きりな、二人!」

「……今までもお客さんと二人はあるから、わざわざ言わなくても」

「なーつーーー」


眉を下げて困った様に笑うきょうさんに俺も曖昧に笑った。

折角、前に進めるかもしれないのに。
どうして、あかりがそこに現れて。
そして、俺を想ってるかもしれないだなんて。


考えたくなんてないじゃないか。

復讐劇にしては出来過ぎてるよ。



「なつ、あかりちゃんってのは…簡単に人を裏切る様な子だったの?」

「……そうだから、今の俺がいるんですよ」

「違くってさ。
あかりちゃんと一緒にいた時って事。
あかりちゃんはそうだったのかって。
あの、なつの側で笑ってたあかりちゃんが…嘘とは、俺…どうしても思えないんだよ」

「…俺も、あかりの側で笑ってましたよ」



それはそれは、幸せそうに。
< 267 / 473 >

この作品をシェア

pagetop