あたしの証~番外編~
あかりを信用する事が怖かった。
それって、俺がおかしいのか?
その、痛みは。
このタトゥーと一緒。
傷口をなぞる様に色を入れて行く、この痛みと一緒。
「……なつ」
「でも、信じたいと、思ってしまう…俺もいるんですよ」
ぽろっと、俺の口から零れた本音。
「もう、傷付きたくなんてないって、体が心が叫んでるのに。
なのに、どうしてだか。
あかりを信じたくて、その夢を見たくて、揺らぐ俺がいるんですよ。
ぐっちゃぐちゃなんです、今」
きょうさんは更に顔を歪ませた。
初めて聞く、俺の本音。
俺は心の奥底で、あかりの想いを信じたいと思っていた。
でも、それを受け入れて、裏切られた時。
もう、自分自身を支える事なんて出来ないと思ったから。
だから、全てを拒否したんだ。